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3月は確定申告。給与所得だけのサラリーマン家庭にはほとんど関係が無いが、家を建てたりマンションを購入したり、雑収入があった翌年はそれに関連の税務申告が必要になるし、前年の医療費を申告して所得税の還付を受ける人もいる。というわけで、この時期になるとかなり大勢の人が税務署に出掛ける。
申告書類は昔に較べると分かりやすくなったとは言え、まだまだややこしい。相変わらず「お役所流」の回りくどい説明書きを読むだけでも一苦労。なんとか記入したけれど、果たしてこれですんなり通るものなのか、一抹の不安もある。そんな表情の人たちが税務署の前に長い行列を作っている。
時あたかも春の不安定な天候。北西の季節風に乗って遥か中国大陸から砂塵が運ばれて来る。「黄砂」である。黄砂で空がどんよりと曇るのを、俳句では「よなぐもり」と言い、春の季語としている。
この忙しい最中に、国民の義務とは言え書類提出に長い時間がかかるのはやりきれない。こうして庶民から取り立てる税金を無駄遣いされたのではたまりません。そんなことを思いながら黄砂に曇る空の下、順番が来るのをじっと待っている。
(大澤水牛、ペン画・丸山敏雄)
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