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高級料亭「吉兆」グループの一つ船場吉兆が、客の食べ残しを別の客に出していたことが分かって、大騒ぎになった。東京サミットの日本料理担当であり世界的にも有名な料理屋がこういうことをやっていたとは本当にびっくりした。
しかし考えてみれば、こういう所に来る客は「吉兆で食べている」ことを喜んでいるだけで、食べ物の良し悪しや味が本当に分かる人が少ないから焼き直しや揚げ直しでも通用したのだろう。それに大方は社用接待の場として利用され、客は中高年が多いから、箸をつけない料理もかなり出たに違いない。
これをそのまま捨ててしまうのは「もったいない」というのはむしろ自然であり、再利用を考えることは結構なことだと思う。問題は「吉兆ともあろうものが」ということである。「お一人様四万円より」などとしてあるが、実際のところ一見(いちげん)の客は入れず、一人前十万円ということもめずらしくないと言われている店である。食べ残しを次に回すというのは、代金の二重取りという理屈にもなる。
そして一番の罪は、世間の人たちに「料理屋はどこもそんなことをやっているのではないか」という疑いを抱かせてしまったことである。
(寒河柳太郎)
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