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広島と栃木で相次ぎ小学生の殺人事件が発生した。蕨市では地域ぐるみで子どもの安全を守る対策はどうなっているのだろうか。
田中市長は、新年の挨拶で「1年の計」の第一に安全で安心なまちづくりをあげた。昨年の「市民意識調査」では市民の望む施策の第一に防犯対策が選ばれている(32%)から当然ともいえる。際だった産業や娯楽施設を持たない蕨でまちへの愛着が高い(71%)要因はその利便性(60%)とともに安全さへの信頼(33%)があるからといえるだろう。
ところが、市町村別の犯罪発生率(人口千人当たりの件数)をみると、平成16年は県内のワースト2位、17年は3位。お隣の戸田市は同じく3位、2位で蕨警察署管轄地域が県内で2番目に高いという結果になっている。埼玉県警では昨年から子どもを狙った不審者情報をホームページで提供している。17年10月〜12月中に蕨市で発生した小学生以下を対象とする通報は7件で県内のワースト10に入った。
文部科学省は、昨年12月「登下校時における幼児・児童生徒の安全確保について」という通達をだし、埼玉県では各市町村教育委員会に対し、児童生徒の安全確保について早急に対策を講じるよう要請した。
次世代を担う子どもたちの安全を守るためには、行政や警察にまかせていれば事足りるという問題ではない。特に通学路の安全を図るためには地域ぐるみの取り組みが求められている。
■行政の対応
蕨市では比較的早くから対策がとられている。小中学校の全児童に防犯ブザーを配布したのは、平成13年の池田小事件の起こる前だった。16年には緊急通報システムが全小中学校に設置され、昇降口や教室・保健室にブザーやベル、職員室には回転灯が取り付けられ校内の安全が図られた。18年度には学校の正門付近に防犯カメラ設け監視を強化すること、登下校時にパトロール行う警備員4名を小学校に配備するなどを予定している。
17年2月、蕨警察署と蕨市教委・戸田市教委との間で「児童・生徒の安全対策に関する協定」が締結され、県内初の試みとして注目されている。以来、毎日2回警察官が学校を訪れ警戒に当たるほか、防犯講習や避難訓練が行われている。
■地域の対応
地域の町内会やPTA、ボランティアグループなどによるパトロールも盛んだ。中央地区でじゃ中央コミュニティ委員会と民生・児童委員が「地域で子どもを守る会」を結成、毎月曜日に緑色のジャンパーに身を包んだメンバーが中央小と中央東小に集まり、子どもに声をかけている。
錦町地区では、「地域の子供を見守り隊」というボランティアグループが黄色のジャンパーにタスキを掛けて西小に集まり、下校路に立って見守り活動を行っている。教育委員会の職員も負けじと「子どもの安全見守り隊」の旗を作成・配布し、時には自らもパトロールに参加している。北町や南町などでも見守りパトロールや安全マップの作成が行われており、2月22日には、「安全で安心して住めるまちづくりの地域活動」をテーマに生涯学習活動交流会が開かれる。
斬新な試みとして、犬の散歩の際に子どもに声をかけ、見守ってもらうわんわんパトロールが愛犬団体の「下蕨らんらん倶楽部」によって行われている。また、いざというとき子どもが安心して駆け込める「子ども110番の家」には、個人や商店など780軒が登録されており、心理面からの犯罪防止効果が期待されている。
学童の安全を確保するための対策を求められるのは、地域全体で子どもを見守るという姿勢だ。それには市、学校、警察、町内会、ボランティアグループなどが緊密に連携を取り、不審者通報などの情報を共有しながら進めることが大事だ。市の教育行政と自治振興行政の間で縦割りの弊害はないか、町内会の間で縄張り意識などはないかなどに気を配りながら進めてもらいたい。
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