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わらび新聞

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旅費返還請求を求め住民訴訟(復刊51号)

行政視察問題で市長を提訴

一蕨市民が市監査委員に公金の返還を求めた住民監査請求が棄却されたことに対し、4月20日田中啓一市長を相手取り、旅費の返還請求を求める訴訟をさいたま地方裁判所に起こした。

訴訟を起こしたのは、中央4丁目で洋裁店を経営する川村満子さん。21日に記者会見を行ない、市長に対し、行政視察の行き先を変更した2人に旅費各4万8390円と利子の返還を請求するよう求める訴えを、さいたま地裁に起こしたことを表明した。

会見には、訴訟代理人の牛久保秀樹弁護士とともに臨み、「監査請求を却下されたことは、住民の声を無視していると怒りを覚えた」と述べた。

訴訟によると、損害賠償請求を求められているのは、鈴木巌元市議会議員と岡崎春雄市議会議員。2人は、昨年11月総務常任委員会の九州視察の際に、突然公式視察を欠席し、福岡競艇場に出かけて舟件を買うなどしているが、これは違法なことであるから出張旅費9万6780円の2分の1を蕨市に対し返還するよう求めている。

公金支出の違法性については、市議会規則に基づかない行動にある。総務常任委員会で決定し、市議会議長に通知・承認されて実施した視察を私的に変更したことは、調査の目的を逸脱した違法行為であるとしている。

本調査に関する委員会報告書には福岡競艇場のことが一切記述されていないことから、行先変更が個人的に行なわれたことを示唆している。

 

「市民の意見」締め切る(復刊52号)

行政経営戦略プラン

蕨市では厳しい財政状況を打開し、単独市として自立していくための行政運営の計画づくりを進めている。そのなかで、「市民の意見」を募集していたが、5月23日に締め切った。

パブリック・コメント制度がない蕨市では、市民とともに行財政改革を推進するという方針から、「市民の意見」を広く募集した。意見募集の知らせは、広報蕨やホームページで行なわれた。戦略プラン案はホームページや各公民館などで公開され、5月1日から郵送・FAX・メールで受け付けていたもの。

意見は、6個人と1団体から22項目にわたって寄せられた。担当の行政経営推進室では、これらの意見を「蕨市行政経営推進会議」に諮り、戦略プランに反映させていくという。確定したプランは、寄せられた意見と市の方針をあわせて8月には公開される予定だ。

3市合併協議が破綻し、行財政基盤の確立は喫緊の課題となった。昨年8月、市は市長を本部長とする「蕨市行政経営戦略推進本部」を設置し、実行部隊として「行政経営推進室」を設けた。

また市民の声を改革に反映する目的で、商工、教育、生涯学習、PTA、民間企業などの市民10名からなる「蕨市行政経営推進会議」をも設置した。この会議は、5月18日、6月1日と2回開催されている(非公開)。

戦略プラン案によれば、平成17年度から21年度までの5年間で、約33億円の財源不足が生じることが予測されている。プランに掲げる推進項目が実施された場合、歳入確保分約28.5億円、歳出削減分約15億円の計43.5億円の財政的効果(累積効果額)が見込まれている。

すでに17年度から敬老祝金、団体補助金10%、特別職・管理職の期末手当などの削減が実施されている。今後は都市計画税や国民健康保険の値上げ、ゴミ収集の有料化など、市民生活に直接影響を及ぼす項目がめじろ押しだ。

市民に負担を押しつけるだけでなく、行政自らが意識改革とスリムで効率的な行政運営を行なうことで、市民・民間と協働していく行政経営システムへの転換が望まれる。(中林)

 

蕨駅西口再開発が始動(復刊53号)

準備組合が第1回総会を開催

昨年12月に設立され、活動が注目される「市街地再開発準備組合」が7月5日に第1回総会を開催した。これにより蕨駅西口再開発は、第1工区の具体化に向けて本格的に動き出した。

蕨駅西口再開発は、平成14年に計画案が抜本的に見直され、3工区に分けて段階的に進められることになっていた。今回、活動を開始したのは、第1工区にあたる中央1丁目7番の区域約0.6ヘクタール。9組11名の地権者が「蕨駅西口地区7番街区市街地再開発準備組合」(貫井理事長)を設立し、総会を開いた。本事業は組合施行で行なわれ、蕨市も1組合員として参加している。

総会では、17年度事業計画、事業協力者の選定などが検討された。準備組合では事業協力者を確定し、事業計画・資金計画などを詰めて、18年上期には県知事の事業組合設立認可を得たい考えだ。そうすれば19年に着工、20年竣工で、第1工区の計画は予定通り実現する。

17年度の予算は1億4千万円。蕨市と国の補助に加え、事業協力者なども負担する。基本計画や地盤調査などが進められる予定だ。

今日までの経緯は、平成7年にホテルや大型商業施設を盛り込んだ都市計画が決定。その後、景気低迷で具体化が進まないまま、11年には「蕨駅西口周辺まちづくり懇談会」が計画を見直すべき、との報告書を市に提出。市では事業計画見直しのため「蕨駅西口市街地再開発事業推進検討委員会」を立ち上げ、検討を重ね、14年に計画変更の報告書をまとめた。

都市計画決定変更を確定するために、16年11月に市民説明会、12月公聴会、17年1月意見書の募集を行ない、2月に「蕨市都市計画審議会」(奥田昌利会長)を開いて変更内容を承認した。3月には埼玉県知事の同意を得て告示した。公聴会(公述人14名)や、意見書(16通)などの市民の意見は、都市計画審議会に提出されて議論されている。

都市計画変更のポイントは、同時一括整備から3段階整備で負担を標準化するよう15年かけることとし、施設計画を商業・業務から住宅中心として事業実現性を重視したこと。総事業費322億円は222億円に圧縮、市の負担も120億円から21億円とした(概算)。

第1工区の再開発にかかる費用は約85億円、国や県から補助金を受けるほか、市も周辺道路の整備などで4億7千万円を支出する予定。これたを除いた事業費約66億円は、高層住宅棟の売却収入を充てる。そのため民間のデベロッパーに、地権者の資産分を除いた分を、一括償却する方式とする。こうすれば住宅棟の売れ残りに伴う費用回収のリスクを回避できる。事業協力者として大手7社に声を掛けたところ、蕨は評価が高く、条件のよい1社を内定し、交渉中である。

住宅棟には230戸を予定、公共公益施設には保育園や市民の活動施設が想定されている。一時的に市の負担はあるが、地域の経済効果から見れば地元の売り上げ増や固定資産税、市民税収入などで元はとれると市の担当者はそろばんをはじいている。

第2、第3工区については地権者や市民の意見を聞きながら、基本計画を詰めていく。

蕨駅は、市の顔ともなる玄関口、市民が誇りをもって自慢できる施設建設が望まれている。将来にわたって中心市街地の活性化の拠点となり、生活利便性を向上させる役割を担ってくれるものと、市民の期待は高い。(中林)

 

臨時市議会 議長交代をめぐり紛糾(復刊54号)

7月19日から21日の日程で開催された第3回蕨市議会臨時会で、「議長の出処進退を求める」動議が提出された。しかし、田中鐵次議長はこの受理を拒否。議会は深夜までもつれこみ、会期切れとなった。

今回の蕨市議会臨時会の主な議題は、例年通り正副議長の選挙および2年の任期が満了となる3つの常任委員会(総務・環境福祉経済・教育まちづくり)と、議会運営委員会の改選であった。

最終日には、議会運営委員会の定数変更(5人から6人へ)と、役員改選(委員長は池上東二議員から松本徹議員へ、新任には小林正議員)が議決された。

次に、一関和一議員ほかによって議長の辞任を要求する「議長の出処進退を求める」動議が提出された。提案理由は、田中鐵次議長が不適切な議会運営を行なってきたのは遺憾というもの。しかし田中議長は、議会運営における不祥事はなかったので議題に取り上げる必要はないと受理を拒否した。

これを不服とした議員12名(共産5名、市民ネット4名、市民連合2名、平成会1名)が退席した。出席者が半数に満たないために、審議はストップした。

議長の出席要請にもかかわらず、議長の採決を不服とする野党議員の出席がないまま、深夜12時に会期切れとなった。これによって、3つの常任委員会の改選は行なわれないまま閉会した。常任委員会の委員は、後任者が選任されるまでは在任するという規則があるので、9月定例会までは今まで通りとなる。

田中議長は、昨年12月に競艇場視察問題で辞任した岡崎春雄前議長の後任として選出された。会派間ではリリーフという内約があったようで、田中議長はこの臨時会で議長を辞任する意向だった。しかし、後任の人選では調整がつかず、有力候補だった岡田栄次議員は新政会を脱退した。

後任人事について、市民ネットは岡田議員で了解していたようだ。だが、公明党は、岡田議員が鈴木巌元市議の辞職と関連した前総務常任委員長だったことから、難色を示した。

議会には7つの会派があったが、21日に会派の変更届が議長に提出された。これは、議長交代に絡むせめぎ合いの結果と受け止められる。岡田議員は1人会派の平成会となり、一関議員(民主クラブ)と小林議員(社会民主党)は市民連合を立ち上げた。議会の勢力は、新政会・公明党・自由民主党の与党会派11名に対し、共産党・市民ネット・市民連合・平成会の野党会派12名となり、与野党の形勢が逆転した。このため与党会派から議長を選出することができなくなり、田中議長の続投となった。

国会では郵政民営化をめぐり、派閥間の駆け引きをいやというほど見せつけられたばかりだ。野党会派では引き続き議長の辞任を求めていくようだが、面子にこだわった会派間の争いで議会の空白を招くような愚挙は起こしてもらいたくない。9月から始まる定例市議会の行方を見守りたい。(中林)

 

総選挙埼玉15区 田中氏が初当選 高山氏は比例区で復活(復刊55号)

9月11日に行なわれた第44回総選挙の投開票で、田中良生氏が初出馬で当選を果たした。蕨市から代議士が誕生したのは初めて。前職の高山智司氏は、小選挙区では田中氏に敗れたものの、比例区で復活当選した。

自民党公認の田中良生氏(41)が、有効投票数の49パーセントを占めて当選を決めた。自民党の公募で選ばれた田中氏は、8月30日の公示からわずか5日後には「田中氏、一歩リード」と新聞で報道されていた。

田中氏は、候補者に決まって日が浅く、知名度も低かった。しかし、自民・公明両党の支持層と、小泉人気に支えられ、幅広い層からの支持を得た。

投票率は過去最高

小選挙区比例代表並立制が導入されて以来、4回目となった今衆院選の投票率は、過去最高となった。総務省発表によれば、小選挙区67.51%、比例選67.46%で、いずれも前回を7.65ポイント上回った。

蕨市でも同様に過去最高となった。小選挙区選の過去3回の投票率は、平成8年10月57.66%、12年6月58.94%、15年11月54.47%である。今回は、66.16%だった。

また蕨市の投票率は、埼玉15区内でも最も高く、市内の有権者の関心の高さを裏付けた。

 

9月定例市議会 最終日は大混乱 野党、出席を拒否(復刊56号)

9月定例市議会は、9月1日から9月30日の予定で開催された。最終日、野党が出席を拒否、会期を1日延長した。10月1日未明、提出議案を可決して閉会した。

今定例会では、初日に田中鐵次議長の不信任が議決された。しかし、田中議長は辞職に応じず、波乱の幕開けとなった。これが尾を引き、30日の本会議には野党会派の議員12人が欠席。定足数(12)に満たないため議会は空転した。

会期は30日までであり、この日を過ぎると提出議案が廃案となる。これを避けるため田中議長は、与党側議員11名だけの出席で定足数に満たないまま、異例の開会を強行した。これは、議長職権で地方自治法113条の例外規定を適用したものだ。蕨市議会始まって以来のことである。

野党側は、自分たちが出席しなければ開会できず、与党側も折れると判断したのだが、例外規定で開会を強行され、勉強不足を露呈した形となった。これでは反対討論もせずにすべて可決されてしまうということになり、かえって事を大きくすると判断し、午後11時30分にいたり議場に入った。その結果、会期を1日延長し、提出議案20件を可決。1日午前3時2分に閉会した。

今議会の請願2件、陳情1件については、所得税増税・消費税増税に反対する請願は不採択、石綿曝露対策を国に求める請願は採択、「市議会だより」の一般質問者の氏名・会派名記載についての陳情は継続審査となった。

議会が終了した10月1日、平成会の岡田栄次議員は市民ネット21への会派変更届けを行なった。これによって野党会派(市民ネット21、共産党、市民連合)は12名、与党会派(新政会、公明党、自由民主党)は11名となり、与野党逆転の構図が明確になった。

議長不信任を可決した議会が、法的拘束力がないとはいえ、議長をそのままにして審議を継続するという事態は、通常の市民感覚から見るとおかしなことである。野党側の推す議長候補が与党側と調整できないため、田中議長も辞めるに辞められないというのが舞台裏の事情のようで、会派間の意地の張り合いや、何らかの政治的思惑に起因するものだとしたら、市民を冒涜するものといわざるを得ない。どのような形で決着するにせよ、いたずらに議会を空転させることがないようにすべきだ。

効率的行政運営が叫ばれている今日、十数名の市職員を待機させ、傍聴人の見守る中で、貴重な時間を浪費することは、税金の無駄遣い以外の何物でもないはずだ。(中川)

 

行政経営戦略プラン 5年間で42.5億円の効果を見込む(復刊57号)

志木市では、「行政から市民への約束」をローカルマニフェストと呼んでいる。従来の選挙公約と違う点は実行責任を伴うことで、行政を預かる責任主体が、その取り組む政策に関し、「数値目標」、「達成目標」、「財源」、「実行方法」などを具体的に示すことにある。

今回、蕨市が確定した戦略プランは、厳しい財政状況を改善し、単独市として自立していくための行動指針、いわばマニフェストに相当するものである。昨年8月に「行政経営戦略本部」を設置して以来、プラン策定には全庁をあげて取り組み、職員から384件のアイデアが出された。市民から公募した意見が22項目、市民・学識経験者からなる「蕨市行政経営推進会議」からは100項目にわたる意見書が提出された。

これらを踏まえた上で7項目に分類し、削除・修正を加えて決定された戦略プランは、「前例踏襲主義などからの転換を図り、行政を経営する視点に立って行財政システムの効率化を進める」ものとなっているという。

詳細は市のホームページや広報わらび9月号に掲載されているが、ここではそのポイントを検証する。

行政が市民との協働をうたい文句にし、市民と痛みを分かち合いながらプランを推進していこうとするのであれば、市民が参画できる仕組みづくりや市政の透明性を保つための情報公開を積極的に進め、市民への説明責任をきちんと果たすべきである。

「行政経営推進会議」は、プランを策定したからといって役割を終えたわけではなく、今後もプランの進捗状況をチェックし、意見を具申していってほしいと考える。(中川)

 

市長報告から(復刊58号)

最近の市政の取り組みや課題に関し、4点について市長から報告があった。

@市民意識調査
「まちへの愛着度」70%、「永住意識」63%の肯定の回答があり、今後も住みよいまちづくりに市民本位の施策を進めたいと述べた。

A安全・安心対策
9月の集中豪雨による水害の発生が市民に不安を与えたことを踏まえ、計画的な災害対策を検討すると表明。庁内に「庁内連絡会」や「危機管理指針等管理委員会」を立ち上げて方策を検討することになった。

Bアスベスト使用実態調査
専門機関による30施設、35棟の検査の結果、以下の施設で、アスベストを含有している吹き付け材の使用が確認された。1%以上では、南公民館、東公民館、北小学校、西小学校の4施設、1%未満が西公民館、東公民館の2施設、計8ヵ所である。これらの施設については、アスベスト撤去工事などを来年3月までに実施することにした。

C市役所の「窓口サービスアンケート」結果
全体的な総合評価では、おおむね80%が「満足」「やや満足」という回答であった。職員の言葉遣いや、用件が済むまでの所要時間で不満の回答もあり、市民への接遇意識の向上に努めると述べた。
(中川)

 

2006年を迎えて 新年あいさつ交換会(復刊59号)

1月4日、蕨市新年あいさつ交換会が市民会館で開かれた。寒さ厳しいなか、会場には約180人の市民や来賓が参集した。

主賓のあいさつには、田中啓一市長と今井良助市議会議長が立った。田中市長は今年のえとにちなみ、「犬の代名詞のような言葉として、知恵・勇気・誠実があります。この3つは人間にとっても大事なことではないかと思います。常に学習して知恵を磨き、時に勇気をもって決断し、誰にも公平公正な誠実をもって接することが大事だということです。今年はそうしたえとに込められた思いを心に刻み、市民の皆さまとともに市政を推進していきたいと思っています」と冒頭に述べ、今年の市政への所信を表明した。

続いて田中良生衆議院議員、関口昌一参議院議員、奥田昌利県議会議員が来賓のあいさつを述べた。引き続き、佐藤孝二町会長連絡協議会会長による乾杯の音頭で、和やかな歓談の会が催された。

 

安全で安心なまちづくりのために 学童の安全を守る地域の取り組み(復刊60号)

広島と栃木で相次ぎ小学生の殺人事件が発生した。蕨市では地域ぐるみで子どもの安全を守る対策はどうなっているのだろうか。

田中市長は、新年の挨拶で「1年の計」の第一に安全で安心なまちづくりをあげた。昨年の「市民意識調査」では市民の望む施策の第一に防犯対策が選ばれている(32%)から当然ともいえる。際だった産業や娯楽施設を持たない蕨でまちへの愛着が高い(71%)要因はその利便性(60%)とともに安全さへの信頼(33%)があるからといえるだろう。

ところが、市町村別の犯罪発生率(人口千人当たりの件数)をみると、平成16年は県内のワースト2位、17年は3位。お隣の戸田市は同じく3位、2位で蕨警察署管轄地域が県内で2番目に高いという結果になっている。埼玉県警では昨年から子どもを狙った不審者情報をホームページで提供している。17年10月〜12月中に蕨市で発生した小学生以下を対象とする通報は7件で県内のワースト10に入った。

文部科学省は、昨年12月「登下校時における幼児・児童生徒の安全確保について」という通達をだし、埼玉県では各市町村教育委員会に対し、児童生徒の安全確保について早急に対策を講じるよう要請した。

次世代を担う子どもたちの安全を守るためには、行政や警察にまかせていれば事足りるという問題ではない。特に通学路の安全を図るためには地域ぐるみの取り組みが求められている。

■行政の対応

蕨市では比較的早くから対策がとられている。小中学校の全児童に防犯ブザーを配布したのは、平成13年の池田小事件の起こる前だった。16年には緊急通報システムが全小中学校に設置され、昇降口や教室・保健室にブザーやベル、職員室には回転灯が取り付けられ校内の安全が図られた。18年度には学校の正門付近に防犯カメラ設け監視を強化すること、登下校時にパトロール行う警備員4名を小学校に配備するなどを予定している。

17年2月、蕨警察署と蕨市教委・戸田市教委との間で「児童・生徒の安全対策に関する協定」が締結され、県内初の試みとして注目されている。以来、毎日2回警察官が学校を訪れ警戒に当たるほか、防犯講習や避難訓練が行われている。

■地域の対応

地域の町内会やPTA、ボランティアグループなどによるパトロールも盛んだ。中央地区でじゃ中央コミュニティ委員会と民生・児童委員が「地域で子どもを守る会」を結成、毎月曜日に緑色のジャンパーに身を包んだメンバーが中央小と中央東小に集まり、子どもに声をかけている。

錦町地区では、「地域の子供を見守り隊」というボランティアグループが黄色のジャンパーにタスキを掛けて西小に集まり、下校路に立って見守り活動を行っている。教育委員会の職員も負けじと「子どもの安全見守り隊」の旗を作成・配布し、時には自らもパトロールに参加している。北町や南町などでも見守りパトロールや安全マップの作成が行われており、2月22日には、「安全で安心して住めるまちづくりの地域活動」をテーマに生涯学習活動交流会が開かれる。

斬新な試みとして、犬の散歩の際に子どもに声をかけ、見守ってもらうわんわんパトロールが愛犬団体の「下蕨らんらん倶楽部」によって行われている。また、いざというとき子どもが安心して駆け込める「子ども110番の家」には、個人や商店など780軒が登録されており、心理面からの犯罪防止効果が期待されている。

学童の安全を確保するための対策を求められるのは、地域全体で子どもを見守るという姿勢だ。それには市、学校、警察、町内会、ボランティアグループなどが緊密に連携を取り、不審者通報などの情報を共有しながら進めることが大事だ。市の教育行政と自治振興行政の間で縦割りの弊害はないか、町内会の間で縄張り意識などはないかなどに気を配りながら進めてもらいたい。

 

 

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