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今年は梅雨入りが早く、関東甲信地方は六月二日だった。これは平年に比べ六日早く、去年と比べると二十日も早いという。昔の暦には季節の移り変わりを知らせる二十四節気というものがあった。今でも「春分」「秋分」とか「夏至」「冬至」「立春」「立秋」などが使われている。その中に「入梅」というのもあるが、今年は六月十日とされていた。それと比べても今年の梅雨入りは八日も早かった。
梅雨はじめじめとして鬱陶しい。梅雨明けは通常七月二十日頃だから、今年はもしかしたら異常に長い梅雨になるかも知れない。梅雨に付き物と言えばカビ。昭和も五十年代までは、梅雨の季節は大変だった。食べ物にはすぐにカビが生え、掃除が行き届かない家具の裏などにも生じて、家中が黴臭くなった。エアコンが普及し室内の湿度調節ができるようになり、冷蔵庫も全世帯に普及して、少なくとも家の中ではカビとは無縁になった。
身体がだるくなる何とも嫌な季節だが、草や木や虫たちは逆に生き生きとする。稲も野菜もよく育つ。木の枝や垣根にはカタツムリがさかんに這い出す。角を伸ばして頭をもたげ、えらく威勢がいい。また雨の気配を感じ取っているに違いない。
(大澤水牛、ペン画・丸山敏雄)
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